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待ち伏せでストーカー扱い!? 逮捕や規制法違反の可能性はあるか

2020年12月21日
  • 性・風俗事件
  • 待ち伏せ
  • ストーカー
待ち伏せでストーカー扱い!? 逮捕や規制法違反の可能性はあるか

大阪府警が公表している「令和元年大阪府警察重点目標推進結果」によると、令和元年度のストーカー事案相談受理件数は、1050件でした。平成30年度の1152件から微減はしていますが、依然、一定数のストーカー事案が大阪府警に相談されていることが伺えます。

気になる異性や元恋人の自宅や職場の前などで待ち伏せしていたら、「ストーカー行為だ」といわれてしまうケースがあります。当人に悪意はなく、ストーカー行為をしている自覚がなかったとしても、繰り返し待ち伏せをしたり後をつけるなどといった行為をすれば、ストーカー規制法違反により逮捕される可能性もあります。

今回は、異性を待ち伏せしていたら被害届を出されてしまったというケースを想定し、逮捕の可能性や逮捕や起訴を回避するために何ができるかということについて、ベリーベスト法律事務所 堺オフィスの弁護士が解説します。

1、ストーカー行為に関連する法律とは?

ストーカー行為を取り締まる法律として、ストーカー規制法(正式名称:ストーカー行為等の規制等に関する法律)が存在します。ストーカー規制法とはどのような法律か、以下より解説していきます。

  1. (1)ストーカー規制法の規制対象とは?

    ストーカー規制法では、「つきまとい等」の行為と「ストーカー行為」の2つを規制対象としています。

    「つきまとい等」の行為
    「つきまとい等」の行為とは、以下の8つの行為です。具体例を含めて紹介します。

    1. ①通勤・通学路などでのつきまとい、待ち伏せ、押し掛け、見張り、うろつきなど
    2. ②「今日の花柄の服は似合っているよ」など、監視していると電話やSNS等で告げる行為
    3. ③執拗な面会や交際の要求
    4. ④大声で威嚇したり周囲の物を壊したりするなどの乱暴な言動
    5. ⑤無言電話、連続した電話、ファクシミリ、電子メール、SNSなどの送り付け
    6. ⑥相手に不快感や嫌悪感を与える汚物の送付
    7. ⑦インターネットやビラなどで誹謗中傷し、名誉を傷つける
    8. ⑧わいせつ写真や動画などの送り付けによる、性的しゅう恥心の侵害


    ストーカー行為
    ストーカー規制法は、「ストーカー行為」を以下のように定義しています。

    「同一の者に対し、つきまとい等(第一項第一号から第四号まで及び第五号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏もしくは名誉が害され、または行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすることをいう」


    つまり、「つきまとい等」の行為を何度も繰り返し行う場合がストーカー行為にあたることになります。

  2. (2)ストーカー規制法の罰則

    つきまとい等の行為を繰り返し、ストーカー行為をしたとみなされた場合には、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処せられます(同法18条)。また、つきまとい等の行為をし、都道府県公安委員会から、繰り返して当該行為をしてはならないとの禁止命令が出たにもかかわらず、その禁止命令に違反してストーカー行為をした場合には「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」刑に処せられます(同法19条)。

    上記以外で、禁止命令に違反した場合には、「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」に処せられます(同法20条)。

2、「待ち伏せ」はストーカー行為なのか?

では、気になる異性や職場の先輩社員のことを悪気なく待ち伏せした場合にもストーカー規制法の規制対象になるのでしょうか。

  1. (1)待ち伏せには一定の目的が必要

    ストーカー規制法で禁止されている「待ち伏せ行為」は、以下の条件となっています。

    • 目的
    • 特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的
    • 対象となる人
    • ストーカーの該当者
      その配偶者
      直系もしくは同居の親族
      ストーカーの該当者と社会生活において密接な関係を有する者


    つまり、ストーカー規制法で禁止対象となる待ち伏せ行為とは、単なる待ち伏せ行為ではありません。以下のいずれかの目的をもってなされる行為となります。

    • 恋愛感情その他の行為の感情を充足する目的
    • 上記が満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的
  2. (2)ストーカー行為といえるためには反復性が必要

    前述のような恋愛感情もって待ち伏せ行為がなされた場合、ストーカー規制法の「つきまとい等」の行為に該当します。しかし、待ち伏せがストーカー行為と判断されるには、何度も繰り返し待ち伏せ行為がなされた、という事実が必要になります。

    したがって、恋愛感情やその達成のための目的をもち、何度も継続して待ち伏せ行為をした場合には、ストーカー行為として、ストーカー規制法の取り締まり対象となります。

    [参考]どこからがストーカー? ストーカーの基準と逮捕までの流れを弁護士が解説

3、待ち伏せ行為が原因で逮捕される可能性はある?

ストーカー規制法の対象となる待ち伏せ行為をしてしまった場合には、逮捕される可能性があります。逮捕は、以下のような段階を踏んで行われます。

  1. (1)被害者が警察に相談した場合

    待ち伏せ行為があった場合に、不安に感じた被害者が、警察に相談をすることがあります。警察がストーカー規制法の規制対象となる待ち伏せ行為であると判断した場合には、以下の段階を踏み逮捕へと進みます。

    ①警告
    ストーカー規制法は、暴行や脅迫を受けたなどの刑法上の実害が生じていなくても、警察が介入することが可能な法律です。ストーカー規制法の対象となる待ち伏せ行為にあたると判断された場合、加害者は、警察本部長などから「待ち伏せ行為をしてはならない」という警告を受けることになります。

    警察から警告を受けた場合には、悪気なく待ち伏せしていたとしたとしても、被害者に対して不快な思いをさせてしまったことを認識し、直ちに待ち伏せ行為をやめるようにしてください。

    ②禁止命令
    2016年のストーカー規制法改正により、緊急性が高いストーカー行為は警告を経ずに禁止命令が出せるようになりました。禁止命令とは、警告に従わずに、さらに繰り返し待ち伏せ行為をした場合、都道府県の公安委員会から発令されます。

    警告に違反したとしても罰則はありませんが、この禁止命令に違反した場合には、罰則を科され、場合によっては逮捕される可能性もあります。また、禁止命令の有効期間は1年間ですが、更新することによって延長されることもあります。

    ③逮捕
    逮捕されると、警察署などの留置施設に最長48時間の身柄拘束をされ取り調べを受けることになります。もし釈放されなかった場合には、検察に送致され、さらに最長24時間身柄が拘束されることになります。事件の送致を受けた検察官が裁判所に勾留請求をし、勾留の決定がされた場合は、その後最長20日間身柄拘束され捜査・取り調べが続くことになります。

  2. (2)被害者が最初から告訴をした場合

    一般に、待ち伏せ行為と判断されると、警告・禁止命令という段階を踏んで逮捕に至ることになります。一方で、被害者が、検察官または警察に対して直接告訴をするケースもあります。告訴とは警察や検察などの捜査機関に犯罪の事実を告げ、罰を求めるものです。告訴が受理されると、刑事事件として捜査が始まり、状況によっては逮捕されることもあります。

    なお、平成28年まではストーカー行為は親告罪でしたが、平成29年1月から、ストーカー規制法で規制対象となるストーカー行為などは、被害者の告訴がなくても起訴することができる非親告罪となり、厳罰化の傾向が強まっています。

4、逮捕や起訴を防ぐために弁護士に相談するべき理由

待ち伏せ行為をしてしまったことで、相手に被害届を出されてしまった、警察から警告や禁止命令を受けてしまった、逮捕されてしまった、という方は、早期に弁護士に相談するようにしましょう。

  1. (1)自分の行為がストーカー行為にあたるか確認できる

    悪気なく待ち伏せしていたという方からすると、突然警察から警告がくると「ストーカー行為なんてしていない」、「ストーカー扱いするなんて許せない」などと感情的になってしまうかもしれません。

    しかし警察から警告がされたということは、待ち伏せをされていた相手が少なからず恐怖やつらい気持ちを抱いているということです。警告の段階で自らの行為を冷静に見直すことができれば、処罰もなく、逮捕に至るということもありません。

    しかし、自分ひとりでは、自分の行動を客観的に検証することは難しいかもしれません。警告を受けた行為が、違法行為なのかどうか、今後どのような対策をすればよいかについて弁護士に相談し、アドバイスを受けるのもひとつの手段です。また、相手への支配意識や執着心に苦しんでおられる場合は、まずは専門のカウンセラーや医療施設を受診されることをおすすめします。

  2. (2)被害者との示談交渉を任せることができる

    相手から告訴や被害届を出された場合には、逮捕や起訴に至る可能性もあります。そのような場合に有効となるのは、示談です。示談とは、示談金の支払いや合意書などを作成することで、裁判を介さず相手と和解することです。

    なお、相手から告訴を取り下げてもらったとしても、刑事事件として検察に起訴される可能性はあります。しかし、よほど悪質なケースでない限り、示談が成立し被害者が処罰を望んでいないとなれば、起訴される可能性は低いといえます。そのため、被害者と示談が成立しているか否かは、処罰の判断において非常に重要な要素となります。

    ただしストーカー事件において、直接本人と交渉することは大変困難です。弁護士を介さなければ示談のための連絡先を知ることも難しいでしょう。また、すでに警告や禁止命令が出ている場合、被害者と直接会おうとする行為はさらに悪質なストーカーとみなされる可能性があります。示談交渉については、当事者同士で行うのではなく、早期に弁護士に依頼することをおすすめします。

5、まとめ

悪意なく待ち伏せをしていたとしても、相手の心情次第では、ストーカー行為ととられてしまうこともあります。また、警察からの警告や公安委員会からの禁止命令を無視していると、逮捕されるおそれもあります。そのような場合には、早期に待ち伏せやつきまとい行為をやめるとともに、弁護士へ相談しましょう。
ストーカー事件は相手側との示談が難航するケースも少なくなく、弁護士のサポートが不可欠といえます。待ち伏せなどのつきまとい行為により、ストーカー扱いされてしまった、被害届・告訴されてしまったといったお悩みがある方は、ベリーベスト法律事務所 堺オフィスまでご相談ください。刑事事件の経験が豊富な弁護士が、問題解決へ向けて力を尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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