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ペット保険で治療費が支払われないのはなぜ? よくあるトラブル対策を解説

2020年07月27日
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ペット保険で治療費が支払われないのはなぜ? よくあるトラブル対策を解説

保険にもさまざまなカテゴリーがありますが、ペット保険は、損害保険または少額短期保険に分類されます。日本損害保険協会が発表している「紛争解決等業務に関する実施状況等(そんぽADRセンター)」によると、大阪府内で2019年第2四半期に保険金支払いについて寄せられた苦情は59件でした。

「せっかくペット保険に加入したのに、いざペットが病気にかかったら保険金支払いの対象外だった」そんなケースに遭遇すれば、強い憤りを感じることは想像に難くありません。今まで支払ってきた保険料を合計すると決して安くはない金額になる場合は、余計に納得がいかないことでしょう。

このようなトラブルを回避するために、飼い主ができることはないものでしょうか。本コラムでは、堺オフィスの弁護士が、ペット保険のトラブルとその対策を解説します。

1、ペット保険トラブルはなぜ起こるか

ペットには人間のような公的な健康保険制度が存在しません。

そのため、病気・ケガで多額の入院費・通院費・手術費がかかった時に備え、医療費を安く抑えるペット保険が必要とされています。

また、獣医療が発達し、ペットの生活環境もひと昔前に比べて改善していることから、ペットも長寿化する傾向があります。長寿化すればするほど、動物病院で健康診断や治療を受ける機会が増えるため、ペット保険へのニーズは増加傾向にあるといえるでしょう。

しかしペット保険を巡るトラブルは、少なからず発生しています。
ペットの種類は犬猫に始まり、ウサギ・鳥・ハムスターなど多種多様であり、一般の保険と比べて複雑になるケースもあります。一方、対面ではなくインターネットのみで契約が成立するペット保険も少なくありません。複雑な内容に対して、丁寧な解説に乏しいともいえる契約環境が、トラブルに発展する一因となっているといえるでしょう。

2、ペット保険トラブルのケース5つ

  1. (1)全額補償されると思ったら一部のみの補償だった

    ペット保険でよくあるトラブルは、全額補償だと思い込んでいたら一部しか支払われなかった、というものです。

    ペット保険では、実際にかかった通院費・入院費・手術費などから、何割までを補償するのかという補償割合が設定されています。たとえば、補償割合が70%の場合で、通院費が1万円の場合、7000円が支払ってもらえる保険金額ということになります。

    現時点において出回っているペット保険では、100%補償のものはまれであり、補償割合が高いほど保険料も高額になるのが通常です。

  2. (2)待機期間中に治療を受け、保険金が支払われない

    多くのペット保険において、契約直後から一定の期間“待機期間”が設けられており、待機期間中に発生したケガ・病気は、補償対象外となります。

    これは、健康リスクの高いペットに対し、病気の潜伏期間を見越した期間であり、契約者間で公平を図るための制度です。


    待機期間は保険会社や商品によって異なり、また保険によっては待機期間を設けていないケースもあります。その場合は補償開始日が翌月から、ということもありますので契約前に十分注意しましょう。

  3. (3)補償対象外の治療を受け、保険金が支払われない

    ペット保険では、すべての治療が補償されているわけではありません。補償対象外になっているものもありますので、契約前に必ず確認しておきましょう。

    具体的に対象外となるのは、主なケースは以下の通りです。

    • 既往症・先天性異常
    • 予防接種によって予防できる病気(フィラリア感染症、狂犬病など)
    • 治療付帯費用(ペットホテル宿泊料、安楽死、遺体処置など)
    • 妊娠・出産・避妊・去勢手術の費用
    • 予防・検査費用
    • 健康食品・医薬部外品
    • 自然災害によるケガ
    • その他メンテナンス(爪切り、歯石取り、耳掃除、トリミングなど)


    ご自分のペットの受けている治療が該当するかどうか不明な場合は、加入している保険会社に確認しましょう。

  4. (4)年齢制限のせいで、加入・更新できない

    一般の保険と同じように、ペット保険にも年齢制限があります。

    犬であれば、犬種にもよりますが0~10歳までが新規で契約できる一般的な年齢とされています。ただし、ペットの高齢化を受け、年齢の上限なく申し込める商品もあるので、条件をよく確認しましょう。

    また、多くのペット保険は1年更新となっています。そのため更新時に健康状態が悪化していたり高齢になっていたりすると契約更新ができず、一定年齢以降は無保険になってしまうことがあります。

    各保険商品の新規加入年齢制限と、更新年齢制限は必ず確認するようにしましょう。
    なお保険会社によっては、自動継続で終身まで継続可能なものもありますので、ご自分の状況に合わせてじっくりと探してみましょう。

  5. (5)告知義務違反で保険金が下りない

    人間の保険と同じく、ペット保険においても加入時にペットの健康状態を告知する義務があります。告知義務に違反すると、もしもの時に保険金を受け取れなくなるおそれがあります。

    トラブルを防ぐためにも信頼できる獣医師に相談しながら診断を受けるようにしましょう。

3、ペット保険のトラブルを避ける方法

ペット保険のトラブルを防ぐポイントは、
●保険契約の約款を読み込み、疑問点は必ず保険会社に確認する
●ご自分のペットの健康状態とかかりやすい病気を把握しておく
ことが挙げられます。

以下で、詳しく見ていきましょう。

  1. (1)ペットの健康状態とかかりやすい病気を把握する

    保険トラブルを防ぐためには、ペットの健康状態とかかりやすい病気を事前にしっかりと把握しておくことが大切です。

    同じ犬であっても、犬種によってかかりやすい病気は異なります。たとえば、ダックスフントやコーギーなど胴の長い犬は、椎間板ヘルニアなど腰の病気にかかりやすいとされています。

    もしペットの正確な年齢がわからなくても、推定年齢がわかればよいとするペット保険もあります。推定年齢は、かかりつけの獣医師によって調べてもらいましょう。

  2. (2)加入年齢制限と更新年齢制限を確認する

    ペット保険では、一般に短期間での更新を繰り返さなければならないという特徴があります。そのため、ガンなどで長期の治療が必要になった場合であっても、途中で契約更新できなくなるおそれがあります。

    健康状態が悪化しても終身まで契約更新可能なペット保険も存在していますので、必ず慎重に選ぶようにしましょう。

  3. (3)ペットの健康状態に応じた補償内容を選ぶ

    ペット保険の補償内容は、商品ごとに異なります。ペットの健康状態とかかりやすい病気に応じた補償内容を選ぶようにしましょう。

    ただし、補償割合が90~100%と高くなればなるほど、支払う保険料は高くなる傾向があります。ご自分の希望やペットの状況に合わせて、適切なものを選ぶようにしましょう。

  4. (4)保険金支払いが後日請求か窓口精算か確認しておく

    ペット保険における保険金の支払い方法は、主に「後日請求」と「窓口精算」の2通りがあります。一般的なのが「後日請求」で、動物病院への支払いを飼い主が全額負担してから、後日保険会社に補償割合分を請求するというものです。

    一方、「窓口精算」は、動物病院で治療を受けた当日に、自己負担額のみを会計窓口で支払えばよいというものです。最終的に支払う金額が同じだとしても、急な現金の出費は飼い主にとって負担になることがありますので、どちらの清算方法であるか確認しておきましょう。

4、悪質性が高いと感じたら弁護士に相談を

ペット保険は、契約者側の理解不足が原因で発生するトラブルも少なくないため、まずは契約前にペット保険について十分に理解し確認しておくことが大切です。

しかし中には、契約者側の知識不足に乗じて不当な対応をする保険会社である可能性もあります。契約違反ではないのに保険金が支払われない、契約内容が周知されずに変更されてしまっているなど、明らかにおかしいと感じた場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。

5、まとめ

ペット保険トラブルは、インターネット上の契約や補償内容の複雑さから、契約者の理解不足が原因となることも少なくありません。

しかし、正当な理由なく保険金が支払われない場合には、弁護士に相談することも一計です。違法性があると判断されれば、弁護士が法的根拠に基づき、保険会社に対して論理的に権利を主張します。また、保険会社に反論するための証拠集めのアドバイスの他、万が一訴訟に移行した場合の訴訟代理人としての役割も担います。

もしペット保険に関するトラブルでお悩みであれば、ベリーベスト法律事務所 堺オフィスにお気軽にご相談ください。親身にお話を伺い、トラブル解決に向けて全力でサポートいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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