モラハラ妻と離婚するには? モラハラ妻の特徴や離婚手順を解説

2020年04月30日
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モラハラ妻と離婚するには? モラハラ妻の特徴や離婚手順を解説

モラハラは、夫婦間でも離婚原因とされる問題です。堺市では、2018年から2022年にかけて、配偶者からの暴力防止について「DV防止基本計画」を推進し、市を挙げてDV防止に取り組んでいます。

平成30年に警視庁がまとめた「配偶者からのDV相談件数」は前年比621件と増加しています。また、同年の司法統計による離婚原因の第3位は「暴力をふるう」となっており、夫からの申し立てが前年より2.3%微増となっています。妻から夫へモラハラが行われているケースもあり、悩んでいる男性が少なくないことが伺えます。そこで今回は、妻からのモラハラについて詳しく解説します。

そもそもモラハラ妻の特徴はどのようなものなのか、離婚をするならば、どのような手続きが必要なのかについて、堺オフィスの弁護士が丁寧に説明していきます。

1、妻によるモラハラ。その原因と特徴は?

モラハラ=モラルハラスメントは、言葉や態度による精神的な暴力です。
妻によるモラハラはなぜ起こり、どういった特徴があるのでしょうか? 妻の発言や行動に苦しんでいるが、モラハラにあたるのか分からないという場合は、下記の特徴が当てはまるかどうか確認してみてください。

  1. (1)モラハラの原因は?

    妻がモラハラをしてしまう原因はそれぞれ異なり、一概にいうことは困難です。

    一般的に、男女問わず、配偶者に対してモラハラをする方の多くは、育った家庭環境で日常的にモラハラがあった、親から過干渉を受け続けたなどの経験をしている方が少なくないといわれています。無意識に同じことを繰り返してしまうのかもしれません。

    モラハラでは? と感じたら、妻がどのような環境で育ったのか、誰の影響を受けやすいのか、まずは注意を向けてみると、状況を改善するための新たな発見があるかもしれません。

  2. (2)モラハラ妻の特徴5つ

    モラハラ妻は、夫に対して攻撃的で威圧的な発言や行動をし、夫を精神的にコントロールしようとします。身体的暴力には及ばずとも、以下のような行動を繰り返しすることで相手を萎縮させ、精神的に追い詰めるといわれています。

    代表的な特徴を見ていきましょう。

    ●相手を萎縮させる態度や行動をとる
    夫の行動などに文句や不満をいい、エスカレートすると感情的に怒鳴ったり、謝罪をしても長期間にわたり無視をしたりします。行動面では、バタンと強くドアを閉める、舌打ちをする、壁を蹴ったり殴ったりするなどがあります。
    また、何か意見をいえば殴られたりどう喝されるかもしれないと不安にさせたり、そう思わせる空気を作り出します。

    ●親族や友人との付き合いを疎遠にさせる
    親族や友人との付き合いを嫌がり、夫が周囲との関係を深めることを嫌悪します。直接口に出さずとも不機嫌な態度をとり、友人と付き合いを続けることに罪悪感を持たせることもあるでしょう。
    また、モラハラを行う人物の特徴として、ターゲットとする人物以外への人当たりが非常によいという特徴もあります。そのため、妻が吹聴したうそや悪口を周囲が信じてしまい、夫が孤立するケースもあります。

    ●暴言により精神的な攻撃をする
    相手の自尊心や人格を傷つける暴言を繰り返し発言し、それに反論するとヒステリックになったり、さらにひどい暴言を吐いたりします。継続的に暴言を繰り返すことで相手を萎縮させ、対等な会話をすることを諦めさせます。

    ●仕事内容、学歴、家庭環境などをバカにする
    夫の仕事内容や学歴、家庭環境をおとしめる発言をします。夫自身も弱点だと思いがちな部分を攻撃するので、反論しにくく、次第に自尊心を奪われてしまうケースは少なくありません。

    ●経済力を奪う、または制限する
    実際に教育費や住宅費、あなたの親への仕送りなどのお金がかかっているわけでもないのに、夫に最低限のお小遣いしか与えず、金銭的な自由を奪います。金銭が不自由だと会社や周囲との付き合いも制限されるため孤立しがちになります。一方、妻は自由に散財し節制しないなどのケースが多いでしょう。ただし、純粋に収入が少なく家計そのものがひっ迫している場合は、モラハラや経済的DVにはあたりません。夫婦で出費を見直し、しっかり話し合う必要があるでしょう。

2、あなたは「帰宅恐怖症」か?

モラハラ化した妻から暴言を吐かれたり、嫌な態度をとられたりするのではないかとおびえ、仕事が終わっても家に帰ることができない……。そのような状況が続いているのであれば「帰宅恐怖症」かもしれません。

帰宅恐怖症になると、退社時間が過ぎて疲れていても、家に帰ることが怖いため、家庭以外の場所で時間をつぶし、妻が寝静まってから帰宅するようになります。症状が悪化すると、退社時間が近づくだけで気分が悪くなったり、頭痛が起こったりします。

また、家に帰ると不眠になる、動悸(どうき)が激しくなるなど抑うつ的な症状が起こってくると、人によってはビジネスホテルや公園で一夜を過ごすこともあるでしょう。

こうした症状がある場合は、医師にかかり診断書を残すことが重要です。ただし診断書だけではモラハラの証拠にはなりにくいため、併せて妻の暴言や行動の記録をとっておく必要があるでしょう。

3、モラハラ妻と離婚をする時の手順・方法について

妻がモラハラを自覚し、治療したいと願っているのならば、直ちに専門機関にいくべきです。ただし、モラルハラスメントは加害者である自覚が薄いことが多く、治療に結び付けることは難しいケースも多いでしょう。

一方、このまま夫が我慢を続ければ精神的に追い込まれ、病んでしまう可能性も高まります。手遅れになる前に、離婚するための方法を以下に紹介していきます。

●証拠を集める
まずは、離婚を切り出す前にモラハラの証拠を集めておきます。離婚を切り出してからでは証拠隠滅される可能性もあるため、相手がこちらの行動に気付く前に証拠を集めることが重要です。

モラハラは家庭内という密室で行われているので証拠を残すことが難しいといわれています。しかし、どう喝や暴言の録音やメール、またモラハラされた日付と内容を細かく記録したメモなどが証拠となりえます。

モラハラを立証できる証拠があれば、妻が離婚を拒否した場合も、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することができます。さらに慰謝料や親権の交渉などを有利に進める可能性が高まります。逆に、第三者でも状況が理解できる程度の証拠がなければ、モラハラを理由に離婚することは難しいでしょう。

●離婚について話し合う
証拠集めが完了したら、離婚について話し合いましょう。夫婦間で話し合いを行い、双方が離婚をすることに合意し、離婚届を役場に提出すれば「協議離婚」が成立します。ただし、妻本人にモラハラの自覚が薄い場合、協議離婚することは困難となる可能性が高いでしょう。

●別居を検討する
離婚について話し合いが進まない場合や、モラハラ妻が怖くて離婚をいい出せないという場合には、別居を検討してみてください。別居をしていても婚姻関係は続きますが、離れて暮らすだけでもモラハラのストレスから解放されます。また別居期間が長くなるほど、法的な離婚事由として認められやすくなるので離婚しやすくなる可能性が高まります。

ただし、正当な理由のない強制的な別居は、悪意の遺棄とされてしまう可能性があります。別居の際、モラハラが原因で別居せざるを得なかったことを証明できる証拠を集めておいたほうがよいでしょう。

なお、別居したとしても、生活費や養育費の分担は夫婦で協議して決定することになります。当人同士の話し合いが困難な場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

●話し合いで解決しなければ調停、裁判へ
協議離婚が困難な場合には、家庭裁判所へ足を運びましょう。離婚を目指すのであれば、まずは調停を起こすことになります。日本では、調停を行わなければ離婚を求める裁判をすることができません。

調停では、第三者である調停委員や裁判官に間に入ってもらい離婚を求めます。モラハラ妻と直接顔を合わせることがないため、話し合いも進めやすくなるでしょう。しかし、モラハラをする方の多くが、他人からの評価が高いことが多いことから、あなたの言い分が虚偽ではないかと疑われる可能性もあり得ます。確かな証拠があるのであれば、弁護士に同席を依頼することで、適切な主張を行うことができます。

いずれにしても、裁判では事前に集めていたモラハラの証拠が必要です。手続きもより複雑になるため、弁護士を依頼したほうがよいでしょう。適切な証拠があり、別居の事実などがあれば、多くのケースでスムーズに離婚することができます。

なお、調停裁判では合意がなければ慰謝料を請求することができませんが、裁判離婚であればモラハラがひどかった場合、慰謝料を請求できる可能性があります。

4、弁護士に依頼するメリット

モラハラ妻と離婚するために弁護士に依頼をするメリットは、裁判を円滑に進めるだけではありません。

そもそも、自分自身の状況がモラハラと呼べるのか分からないという段階でも、弁護士に相談することで客観的な判断を下してもらうことができます。また、多くのケースで必要となる証拠集めについても、具体的なアドバイスを受けることができるでしょう。

何よりも弁護士に話して相談することで、気持ちが楽になり、精神的な負担を減らすことができます。

5、まとめ

モラハラ妻におびえ、離婚を考える人は少なくありません。ひとりで抱えこまずに、まずはベリーベスト法律事務所堺オフィスにご相談ください。今後の対処法や必要なサポートなど、モラハラに関する豊富な知識を持ったスタッフがアドバイスします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています