勝手に写真をSNS等に載せられた! 肖像権侵害の被害は弁護士に相談を
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堺市には仁徳天皇陵などの古き時代の遺跡が多く残る土地であり、そこを訪れる観光客も大勢います。観光地では何かの撮影が行われることもありますが、そこで撮影された写真(画像)の中にたまたま居合わせた人が写っていることも珍しくありません。
このような写真を無断でSNS等に載せられた場合、どのように対処すればよいのでしょう。また、肖像権の侵害にあたるのはどのような行為なのでしょうか。
本記事では、肖像権の侵害にあたるケース・あたらないケースを把握するとともに、自分の肖像権が侵害された場合の対処法について解説します。
1、勝手に写真をSNS等に載せられたら? 対処方法について
最近では、友人の子どもと自分の子どもが一緒に写っている写真が無断でSNSなどにアップされ、トラブルになるケースも増えています。実際に自分が肖像権侵害の被害に遭ったときは、どうすればよいのでしょうか。具体的な対処法は主に3つありますので、順番に見ていきましょう。
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(1)サイト管理者や投稿者に削除請求をする
自分の写真や動画がSNSやインターネット掲示板、ブログなどに無断で掲載されていた場合、時間がたつほど多くの人の目に触れることになるので、一刻も早く画像を削除してもらうことが重要です。投稿者がわかっていれば投稿者に、投稿者がわからない場合はサイトの運営会社や管理者に削除を依頼しましょう。
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(2)民事訴訟を提起する
肖像権の侵害は刑法では罰せられません。しかし、民事上の責任を問うことはできます。
たとえば、インターネットに公表された画像によってプライバシーを侵害される行為は、民法709条の不法行為に該当する可能性があります。その場合、削除を求めたり、差止請求を行ったりすることはもちろん、慰謝料として損害賠償請求をすることも可能です。
ただし、投稿者はわからないが投稿者に対して損害賠償請求を検討している場合、削除請求と並行して、投稿者を特定すべく発信者情報開示請求を行うことが必要です。
発信者情報開示請求とは、SNSや掲示板の管理者や、インターネットサービス提供者(プロバイダ)に対して、投稿者の氏名・住所・電話番号などの情報開示を求めることです。 -
(3)弁護士に相談する
自分や子どもの写真がSNSなどに無断でアップされてしまった場合は、まず弁護士に相談し、どのように対処すべきか判断をあおぐことが大切です。
個人でインターネットへの投稿者やサイト管理者に削除を求めても、対応してもらえないことも考えられます。投稿したのが自分の友人であれば、直接指摘することでその後の人間関係にも影響してしまう可能性もあります。また、差止請求や損害賠償請求をするにも、自力で直接相手方に請求しても相手にされなかったり、請求額からかなり減額されてしまったりする可能性もあります。
もしも相手方が応じてくれなかった場合は、裁判所で削除を求めるための仮処分手続きが必要になるでしょう。仮処分とは裁判所の暫定的な処置で、スピードが求められる削除請求などの事件に用いられる手続きです。
弁護士であれば、相談者の個々のケースに応じて任意の削除請求や裁判所での仮処分手続きを含め、必要な手段を検討し事案に応じた方法を選択することができます。任意交渉でも、弁護士を代理人に立てれば相手方も相談者の要求に応じてくれる可能性が高くなるでしょう。
2、そもそも肖像権とは
そもそも、肖像権とは、次の2つの権利に類型化されるといえます。
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(1)自分の顔や容姿をみだりに撮影されない権利(撮影の拒絶)
第1に、自分の容貌や容姿をみだりに撮影されない権利があります。たとえば、散歩の途中でモデルのようなキレイな女性を見かけたとします。このとき、いくらキレイな方だからといっても、勝手にスマートフォンなどで撮影をすることは許されません。また、被写体が子どもの場合、親権者たる親の許可がない限り勝手に撮影はできません。
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(2)撮られた写真・画像を公表されない権利(公表の拒絶)
第2に、撮られた写真や画像を勝手に利用されない、公表されない権利があります。たとえば、電車が遅延していて駅のホームが混雑しているときに、ホームで乗客が行列を作っている写真を撮り、SNSにアップロードして混雑ぶりを知らせるという行為は、肖像権の侵害にあたり可能性があります。最近では安全面への配慮から、自分の子どもの写真を撮ってSNSなどにアップするときには、他人の子どもが写りこまないように注意するケースも少なくありません。
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(3)肖像権の侵害と表現の自由との兼ね合いをどう考える?
肖像権は人格権と捉えられており、守られるべき権利ではありますが、その一方で表現の自由も保障されています。そのため、たとえば写真展に出すために風景の写真を撮ったときに、たまたまそこに居合わせた人が写りこんでしまっていた、などの場合は、肖像権の侵害と表現の自由のどちらを優先すべきかが問題となります。
3、肖像権侵害になるケース・ならないケース
ここでは、肖像権侵害になるケースとならないケースについて考えていきましょう。その判断基準としては、以下の点が考慮されます。
- ① 報道目的など、公益的目的の撮影・公表かどうか
- ② 犯罪予防目的の撮影・公表かどうか
- ③ 私的生活空間の撮影・公表か、それとも、公園や公道などの公衆の場で撮影・公表かどうか
- ④ 人物が特定できるほどの撮影・公表か、それとも、被写体が小さすぎて人物が特定できず、あるいはモザイク処理をするなどして特定できない形での撮影・公表か
- ⑤ 水着姿、裸などの撮影・公表か
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(1)肖像権侵害になるケースとは
肖像権侵害となりうるのは、以下のようなケースです。
例:- 他人の下着姿や裸を盗撮した場合
- 他人の写真を無断で撮影した場合
- アップした写真がSNSなどで拡散される可能性が高い場合
- 被写体本人が撮影は許可していても、公開することは認めていない場合
特に、他人の衣服の中を盗撮した場合は、迷惑防止条例違反として処罰されることにもなりますので絶対に許されません。
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(2)肖像権侵害にならないケースとは
逆に、画像などを見ても誰か判別できないもの、被写体となる本人に許可を得ている場合は、肖像権侵害にならないと考えられます。具体的には、以下のようなケースは肖像権侵害にあたらないとされることが多いといえます。
例:- 写っているのが誰であるか判別が付かない場合
- たまたま小さく写りこんだ場合
- 被写体本人から許可を得ている場合
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(3)肖像権侵害の判断基準
肖像権の侵害になるかならないかは、撮影場所や撮影内容、撮影の必要性、撮影者の意向などさまざまな事情を総合的に見て判断されます。過去の判例では、「被撮影者の人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるときに違法となる」とされています。(最高裁平成17年11月10日判決)しかし、実際には個々のケースに応じて肖像権の侵害にあたるかどうかを判断していくことになります。
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(4)有名人にも肖像権はある?
アイドルやタレント、政治家などは人前に出ることで知名度を上げることも仕事のひとつであり、広く世間一般に知られるために、撮影されたり公表されることが当人の利益にもつながっています。
そのため、アイドルやタレント、政治家の肖像権は、一般人の場合と比べて狭く解釈されることとなるでしょう。たとえばあるタレントがオフの日に街中を歩いていてファンに写真を撮られた場合、それが肖像権侵害にあたるかどうかは、一定の事情を考慮の上認定されることになります。
とはいえ、アイドルやタレント、政治家にも肖像権は認められます。また、著名人の名前や肖像には顧客吸引力を高める価値があり、それ自体経済的価値のあるものとして扱われます。このような経済的価値の観点から、著名人が肖像・氏名の経済的価値をコントロールする権利をパブリシティ権といいます。
4、まとめ
最近ではカメラ付きのスマートフォンや携帯電話を持つ人が増え、誰もがいつでもどこでも写真を撮ってインターネットにアップできるようになりました。自分の写真が無断でSNSにアップされたなど肖像権侵害の被害者になってしまった場合は、相手方に対して何らかのアクションを起こす前に弁護士に相談されることをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所 堺オフィスでは、無料の法律相談も実施しておりますので、肖像権侵害のことでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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